高血圧イメージ

高血圧と薬とガイドラインの関係

2014年4月、日本高血圧学会が高血圧治療ガイドラインを改定しました。
このガイドラインのポイントをよく理解し、高血圧治療に活かしていきましょう。
まず、第一のポイントは、診察時の血圧よりも家庭で計測する血圧を優先するという点です。
これは改定前のガイドラインでも推奨されています。
家庭血圧を原則1機会2回行い、この平均値によって治療を行うという事です。
もし診察の際の血圧が仮定形即のものより高いという場合、家庭計測の診断が優先となっています。

正常血圧は140/90mmHgですが中年層、若年層、合併症がないという方の降圧目標としては、診察の際154/90mmHg、家庭測定では、135/85mmHg となっています。
分類についても、これまで軽症、中等度、重症という表現が、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度と変わっています。
これは、軽症という表記を利用することで、高血圧には変わりないのに簡単にとらえてしまう方が多い、危機意識が起きないため、こうした表記になりました。

お薬についてですが、主要降圧薬が5剤決められています。
Ca拮抗薬、ARB、利尿薬、β遮断薬、ACE阻害薬です。
このうち、積極的適応のない方についいての治療では、第一選択薬としてβ遮断薬以外の4剤か推奨されています。
β遮断薬は積極的適応とされる患者さんに対して利用するもので、例えば心筋梗塞後の方、狭心症や頻脈の方などはβ遮断薬の適応対象となります。

お薬の併用利用についてもガイドラインで記されています。
改定前と同じですが、一つのお薬で十分に血圧を下げる事が出来ないという場合、そのお薬を増量する、回数を多くする、若しくは、お薬を2剤利用する等併用治療も降圧目標の為に行っていくことが記されています。

このガイドラインでは、高血圧の定義、また降圧薬について、それに降圧の目標に関してなどが詳しく掲載されています。
高血圧となった場合に、自分がどの段階で何を目標にしていけばいいか、ガイドラインからもよく理解できます。
血圧が高い、ご家族に血圧コントロールが必要な方がいる場合、一度目をとされてみてはいかがでしょうか。